市川市本八幡周辺で法人破産する際の流れと弁護士相談の必要性
市川市は、千葉県北西部の葛南地域に位置し、千葉県では3番目に人口が多い市です。
この記事では、市川市で法人の破産を検討していらっしゃる方向けの情報を発信いたします。
このコラムの目次
1. 千葉県の倒産事情
市川市を含む千葉県での企業倒産件数の推移は以下のとおりとなっています。
- 平成14年 606件
- 平成15年 504年
- 平成16件 407年
- 平成17年 306件
- 平成18年 355件
- 平成19年 329件
- 平成20年 388件
- 平成21年 436件
- 平成22年 406件
- 平成23年 347件
- 平成24年 355件
- 平成25年 329件
- 平成26年 281件
- 平成27年 242件
- 平成28年 278件
- 平成29件 237件
このように、平成20年のリーマンショックを受けた平成21年から平成22年に倒産件数が増加して以来、千葉県における企業倒産は減少の傾向にあり、平成29年には近年でもっとも少ない237件となりました。
しかし、平成28年には前年より36件多い278件となるなど、不安定な要素も見られます。
平成29年の倒産企業を業種別にみると、建設業が6,665件ともっとも多く、サービス業が6,299件、製造業が2,330件、運輸業が1,841件、卸売業が1,824件、小売業が1,777件と続いています。
(1) 破産手続とは
破産手続とは、会社が支払不能や債務超過に陥ったときに、裁判所へ破産手続開始の申立てを行い、裁判所により選任された破産管財人の管理のもとで財産を処分・換価し、残った資産を債権者に配当することで、債務を清算する手続です。
破産手続を行うと法人は消滅しますので、債務も当然になくなります
(2) 破産手続の開始
破産手続を行うためには、まず裁判所に申立書を提出し、破産手続開始の申立てを行います。
裁判所に破産開始決定を出してもらうための要件(破産原因)として次の2つがあります。
- 支払いが不能と認められた場合
- 債務超過であると認められた場合
どちらか一方ではなく、両方を充たしている必要があります。
支払不能とは、「債務者が弁済能力を欠くために、弁済期が到来している債務について一般的かつ継続的に弁済することができないと認められる状態」をいいます。
「弁済期が到来している債務」を弁済できない状態になければいけませんので、まだ弁済期が到来していない債務を支払える見込みがないというだけでは支払不能には該当しません。
「弁済することができない」ことが要件とされていますので、正当な理由に基づいて弁済しない場合には該当しません。
弁済することができないと認められる状態は「一般的かつ継続的」である必要があります。一部の債務について弁済不能な状態にあるというだけでは「一般的」に弁済能力が欠乏しているとはいえません。
また、「継続的」に弁済能力が欠乏している必要があるため、一時的に資金がショートしているというだけではこれに該当しません。
支払不能の状態にあるかどうかは代表者の主観ではなく、損益計算表などの財務諸表などから客観的に判断されます。
債務超過とは、債務者が、財産をもって債務を完済することができない状態のことをいいます。つまり、債務額の総計が資金額の総計を超過していることが客観的に認められる状態をいいます。
債務超過の状態にあるかどうかは債務全体を考慮して判断されますので、支払不能の場合とは異なり、履行期が到来していない債務も計上して判断されます。
(3) 債務者審尋
破産手続開始の要件を充たしているかどうか申立書から判断できない場合には、債務者が裁判所に呼び出され、裁判官から質問をする手続が行われることがあります。この手続を債務者審尋といいます。
具体的な質問事項は、債務の内容や金額、残っている資産の内容、従業員をすでに解雇したかどうか、事業所の明渡しなどです。
法人破産の場合、申立てがなされた段階で裁判所により破産管財人予定者が選任されますので、債務者審尋にも破産管財人予定者が同席します。
(4) 破産開始決定と破産管財人の選任
破産開始申立書裁判所から破産原因があると判断されると、破産開始決定が出され、破産管財人が選任されます。
破産管財人とは、破産する会社の財産を換価して債権者に対して弁済や配当を行う者をいい、通常は弁護士から選任されます。
破産開始決定が出され破産管財人が選任されると、会社の財産の管理処分権は会社から破産管財人に移行し、会社は自分の財産を処分することができなくなります。
破産管財人は公平中立な立場で破産する会社にどのような財産があるのか調査し、これを債権者に配当するために換価処分を行うなど、債権者の利益を最大化するための業務を行います。
(5) 債権者集会
破産手続開始決定後、約3か月経った頃に、第1回の債権者集会が行われます。
債権者集会とは、破産管財人が債権者に手続の状況を報告し、債権者からの質問に対応する手続をいいます。債権者が金融会社しかないような場合には債権者が誰も参加せずに10分程度で終了することもあります。
債権者集会は第2回、第3回と繰り返し行われることもありますが、1回のみで終了することもあります。
(6) 破産手続の終了
各債権者に対する債務の額が確定して財産の換価処分が終了すると、債権者に対する配当が行われます。
破産手続の目的は会社に残された財産を換価して配当することにありますので、配当が終了すれば破産手続は終結します。
①債権者に弁済・配当する財産がない場合
以上に説明したのは、債権者に弁済や配当をするだけの財産が会社に残されていた場合の手続です。
しかし、実際には、債権者に弁済や配当をするだけの財産が残されていないケースも多くあり、その場合には同時廃止や異時廃止によって破産手続が終結します。
②同時廃止
同時廃止とは、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止の手続がなされることをいいます。破産手続開始の申立てがなされた時点で債権者に弁済や配当をする財産がないことが明らかな場合には、わざわざ破産管財人を選任して財産の調査や換価処分を行う必要性はありませんので、破産手続の開始と同時に手続が廃止されるという決定が出されます。
同時廃止決定は個人の破産では多く出されますが、法人破産の場合は個人の場合よりも法律関係が複雑なため、破産管財人による調査を行う必要があり、同時廃止によって破産手続が終結することはほとんどありません。
③異時廃止
異時廃止とは、破産手続開始決定後に債権者に弁済や配当をするだけの財産がないことが明らかになった場合に、破産手続を廃止するものです。
破産管財人による財産の調査が行われたうえで手続が廃止されるのが同時廃止との違いです。
④同意廃止
法律上は、同時廃止や維持廃止のほかに債権者全員が破産手続を廃止することに同意したときに手続が終結する「同意廃止」という手続が定められていますが、同意廃止によって破産手続が終結することは実際にはほとんどありません。
(7) 破産手続の費用
破産手続を開始するためには、裁判所に予納金と呼ばれる費用を支払わなければいけません。
債務者本人が申し立てる場合の予納金の金額は以下のとおりです。
負債総額 |
予納金 |
---|---|
5000万円未満 |
70万円 |
5000万円以上1億円未満 |
100万円 |
1億円以上5億円未満 |
200万円 |
5億円以上10億円未満 |
300万円 |
10億円以上50億円未満 |
400万円 |
50億円以上100億円未満 |
500万円 |
100億円以上250億円未満 |
700万円 |
250億円以上500億円未満 |
800万円 |
500億円以上1000億円未満 |
1000万円 |
1000億円以上 |
1000万円以上 |
会社に財産がほとんど残っていないような場合、破産管財人が財産を換価して債権者へ分配する手続をとらず、破産の開始決定と同時に破産手続を終結させることができます。これを「少額管財事件」といいます。
少額管財事件は短期間で手続きが終結するため、予納金は負債額に関わらず原則20万円となります。中小企業が破産する場合は少額管財事件になることが一般的です。
また、以上の予納金のほか、予納郵便切手と収入印紙を別途納める必要があります。
2.破産手続以外の手段
会社を整理するための手段は破産手続だけではありません。続いて私的整理手続、特別清算手続、民事再生手続について解説いたします。
(1) 私的整理手続
私的整理手続とは、裁判上の手続ではなく債権者との協議によって会社の清算や再生の方針を決め、進めていく手続です。
私的整理は特定の相手方と非公開で交渉を行うことができるため、一部の債権者とのみ協議を行うなど柔軟に手続を進めることができるというメリットがあります。
一方で、裁判手続のように公平性や透明性が確保されていないため、債権者と和解に至ることが難しい場合があります。
(2) 特別清算手続
特別清算は、会社法に規定されている手続で、会社の清算方法を債権者の多数決による協定によって決定する裁判手続です。
手続が比較的迅速である、清算人を会社側で選任できる、裁判所に納める予納金の金額が安いといったメリットがありますが、株式会社しか利用することができないほか、大口債権者の同意が得られなければ手続を進めることができません。
債権者や株主の数が少ない場合や、大口債権者が協力的である場合、債権額などについて争いがない場合、財産が散逸するおそれがない場合などに有効な手続です。
(3) 民事再生手続
民事再生とは、民事再生法に定められている手続で、再生計画に基づいて事業を継続しながら会社の再建を目指す手続です。
民事再生は債権者集会に出席した債権者の過半数、かつ債権額の2分の1以上が再生計画に同意しなければ進めることはできませんので、大口の債権者が反対する場合には利用が困難な可能性が高いでしょう。
また、民事再生手続は会社の代表者が主体となって進めていく手続ですので、代表者に会社を再生させていく意欲があることが前提です。
3.市川市本八幡周辺での法人破産も弁護士にお任せください
資金繰りに苦しむ経営者の皆様は、何とかしなければならない、と最後まで会社のために力を尽くしていることと思います。
経営者の皆様のなかには破産は人生の終わりと考えている方が少なくありませんが、それは違います。破産は新たな人生のスタートなのです。
法人破産の手続を行うためには裁判所に納める予納金などの費用がかかります。資金がショートしてからでは破産手続を行うことすらできません。
早めに弁護士にご相談いただければ、破産する以外に再建の手続が見つかる場合もあります。
市川市、船橋市、江戸川区、総武線・都営新宿線・
千葉県市川市の企業が破産等の申立てを行う管轄裁判所は千葉地方裁判所となります。
千葉地方裁判所
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(JR総武線・内房線・外房線千葉駅から徒歩15分,京成千葉線千葉中央駅から徒歩8分)
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